大好きなのに、くしゃみがでて、触れない・・・
赤ちゃんがアレルギーになってしまったら・・・
猫好きにとっては、つらいことですよね。
猫に限らず、動物と接することで発症するアレルギーの症状は、軽度なものから、命に係わる重大な症状まで様々です。
ちなみに私は、子供のころから花粉症をはじめ、その他のアレルギーを発症したことは一度もなく、先代猫でも全く意識したことがなかったのですが、
今の猫を飼って、しかも10年たったごくごく最近、湿疹やかゆみが起きるようになりました(><)。
妻や子供たちは、もともと花粉症気味で、やはり今の猫を飼って数年たって、それぞれ症状が出始めました。
困ったことに、我が家は全員「猫アレルギー」なんです。
というわけで、ここでは猫に起因するアレルギーの最新情報と、我が家ではどう接しているか?
について紹介します。
主なアレルギーの種類
そもそもアレルギーって何?
簡単に言うと、アレルギーは、人間が外部から体内に侵入したものに対して、身体を守ろうとする働き(免疫)が過剰に反応してしまうことを言います。
本来なら免疫は、細菌やウィルスなど体に害のあるものから身体を守ってくれる仕組みですが、身体に害のない食べ物や花粉を排除しようと攻撃して、その際に自分の体を傷つけてしまいます。
例えば過剰に反応してしまう相手によって、アレルギーの種類が以下のように分けられます。
- 小麦や卵、ピーナッツなどの食べ物の場合→「食物アレルギー」
- スギなどの花粉が原因の場合→「花粉症」
- 原因が猫にある場合→「猫アレルギー」
猫に限らず、犬、ハムスターなど毛のあるペットを飼うことによっても、アレルギー症状が出てくることは十分に考えられます。
アレルギーの症状
アレルギーが起こるかどうか、どんな反応をしてしまうかは人によって異なり、症状が現れる場所や程度もさまざまです。
主な症状は、次のものが挙げられます。
- 目のかゆみや充血
- くしゃみ、鼻水
- 皮膚がかゆくなる、じんましんが出る
- 咳が出る
- のどが痛くなる
- 喘息
- 呼吸困難
参考:一般社団法人日本アレルギー学会|アレルギーを知ろう、Thermo Fisher Scientific|アレルギー情報室、厚生労働省|アレルギーポータル
猫アレルギーが起こる仕組み
2013年にイギリスのケンブリッジ大学が行った研究で、猫によってアレルギーが起こる仕組みが解明されたという論文が発表されました。
猫の唾や毛に含まれるタンパク質(「Fel d 1」と呼ばれるアレルゲン:アレルギーの素)が、毛繕いによって体の表面の至る所に付着します。
ただし、このタンパク質が直接アレルギーを引き起こすのではなく、室内の空気中やいたるところ(もちろん人間の体内にも)にあるバクテリアの毒素に接触することでアレルギー反応が誘発されます。
今回の研究で、アレルギー反応を誘発する毒素と、毒素を認識する免疫機能の要素も特定されて、今後の治療法に期待が向けられたんです。
参考:Clare Bryant(2013)|Allergens as Immunomodulatory Protein
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猫アレルギーの対策
それでは、猫アレルギーに対しては、どう対処したらいいのでしょうか?
アレルゲン(アレルギーの原因)を遠ざける
要は、猫には近寄らない、触らないのが一番という、すでに飼っている家庭には絶望的な対策です。
そこで、少しでもアレルゲンを軽減する方法として、以下のことが一定の効果とされます。
徹底的に掃除する
換気をよくする
マスクをつける
こまめな手洗い
薬による対症療法
アレルギーの症状が出てしまった場合に、「抗アレルギー薬」や「抗ヒスタミン薬」を病院から処方してもらって、症状を抑えます。
猫のシャンプー
アレルゲンが、猫の唾や毛に含まれるタンパク質であることから、「猫の定期的なシャンプーがアレルゲンを減らす」効果があることが証明されました。
低アレルゲンの猫
ここ最近、「アレルギーになりにくい猫」として、シベリアの土着猫「サイベリアン」に人気が集まっています。
そもそもはアメリカのある団体が2000年に行った調査で、サイベリアンとアビシニアン、ミックス猫の唾液から「Fel d 1」を採取してその量を比較したところ、サイベリアンが平均よりも少なかったという結果がもとになっています。
さらに2017年にイタリアのトリノ大学の研究チームが、4匹のサイベリアンと35匹のサイベリアン以外の猫から血液を採取し、DNAから「Fel d 1」を作りだす2つの遺伝子を調査しました。
その結果、サイベリアン4匹にだけ遺伝子に変異が見られ、「Fel d 1」の量が少なかったことがわかりました。
この調査結果が後押ししたことで一気にサイベリアン人気に火が付きました。
ただ、このトリノ大学の調査では、「遺伝子の突然変異がアレルゲン合成の低下の原因であるかどうか、そしてサイベリアンが人にアレルギーを引き起こさないと断定するには、さらなる分析が必要」としています。
まだまだ、「低アレルゲンかもしれない…」という程度の話なんです。
参考:S.Sartore(University of Turin)|Polymorphism Analysis of Ch1 and Ch2 Genes in the Siberian Cat
猫アレルギー対策のワクチン開発
2019年にスイスのベンチャー企業(HypoPet 社:現SaibaAnimal HealthAG)が、猫アレルギーの症状軽減に効果のあるワクチンを開発中、との論文を発表しました。
開発中のワクチンは人間に対してではなく「猫に接種するタイプ」で、54匹の猫にワクチンを投与したところ、全ての猫でアレルゲンの働きが抑えられ、飼い主の症状軽減に効果が見られたそうです。
安全性についても、猫に対して長期的あるいは深刻な副作用はないとのこと。
あとは実際に人のアレルギー症状が緩和されるのかなど、臨床データの取得が必要でワクチンが実用化されるまでには数年はかかる見込みです。
このワクチンが実用化されたら、アレルギーが原因で猫ちゃんを諦めていたひとたちにも嬉しい話ですね。
我が家の「猫アレ」対策
結局我が家では、全員が猫アレルギーだったということ。
初めに異変に気付いたのは妻で、あるときから腕に赤い湿疹がでて、目がかゆくなるという症状でした。
しかしその時は、時間が経つと自然になくなるため、猫が原因とは思っていませんでした。
そのうちに、どうやら猫たちを抱っこすることで、症状が現れることが判明。
すると娘や息子も、「そういえば私も、僕も…」ということがわかり…
みんな症状は同じなのですが、当時一番症状がひどかったのは息子です。
涙目とかゆみの症状がひどく、目が真っ赤になって、2,3時間は症状がおさまりません。
息子は赤ちゃんの頃、アトピーと診断されましたが、今では症状はでていません。
しかし、もともとがアレルギー体質であるせいか、症状がひどく出るのかもしれません。
もともと花粉症だった娘は、猫にふれることで湿疹と目のかゆみ、くしゃみが出てしまうようです。
私以外の3人は、もともとアレルギー体質だから、仕方ないと思ってましたが、これまでアレルギーとは無縁だった私が発症するようになってしまったのです。
実は私の場合が最もひどく、全身に湿疹とかゆみがひどく出ます。
しかも、日によって足だったり、腕だったり、背中だったりと、場所は様々。
あまりのかゆさにかきむしり、手足から血が流れることも…(^^;
妻や子供たちは、2,3時間ほど我慢すると症状が治まってくるので、病院に通わずになんとかなっていますが、私は全身のかゆみに耐え切れず、病院へ行くことに。
診断によると、「猫のせいだけではなく、環境変化や年齢のせいもあって、アレルゲンに対する抵抗が薄くなった。」そうで、最近発症した理由に納得です。
対処として、抗ヒスタミン薬の「フェキソフェナジン塩酸塩」を処方され、毎日1~2錠ほど、飲むと30分程度でおさまります。
そんなこんなで、猫に対してはこれまで通り、ベタベタと接しながらお世話しています。
ちなみに私の場合、今のところは薬が効いている間、猫を抱っこしようが撫でようが、猫吸いしようが全く問題はありません☺
ただ、人によってはかゆみだけでなく、呼吸困難やアナフィラキシーショックで命に係わることもあるので、安心はできませんね。
まとめ
症状は人それぞれ、かゆみ、くしゃみ、場合によっては呼吸困難など様々な症状がある
少しでもおかしいと思ったらすぐ病院へ
アレルギーの薬で、対処できることもある
今、猫アレルギー対策の薬を開発中!
なお、近頃テレビのコマーシャルでも、市販の動物アレルギー薬が紹介されていますね。
※抗ヒスタミン薬は、眠気などの副作用があるので服用には注意が必要です。
我が家ではまだ試してはいませんが、いかがでしょう?
我が家でも試し次第、レビュー報告したいと思います。
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