【死亡例あり】アロマオイルが危険な理由

猫の健康

人間にとって、鎮静、ストレス抑制、睡眠促進作用など、

心身によい影響を与えることがわかっているアロマオイル。

 

ところが、この中には猫にとって危険なものが含まれている可能性があるのです。

 

ここでは、

「アロマオイルが猫にとってなぜ危険か?」

その理由について解説していきます。

 

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そもそもアロマオイルって何?

アロマオイルは簡単に言うと、植物の香り成分が凝縮された純度100%の「エッセンシャルオイル(精油)」や合成香料をアルコール、他のオイルなどで薄めたものを指します。

 

猫に対して危険性があるのは、「エッセンシャルオイル(精油)」です。

 

エッセンシャルオイルは、「(公社) 日本アロマ環境協会(AEAJ)」で次のように定義されています。

 精油(エッセンシャルオイル)は、植物の花、葉、果皮、果実、心材、根、種子、樹皮、樹脂などから抽出した天然の素材で、有効成分を高濃度に含有した揮発性の芳香物質である。各植物によって特有の香りと機能を持ち、アロマテラピーの基本となるものである。

 

精油の原料となる植物も、ラベンダー、ローズマリー、ペパーミント、レモン、ジンジャー、ベルガモットなどなど・・・たくさんあります。

この中でもオーストラリアのみに分布する「ティツリー」は、昔から薬として使われていて、その殺菌・抗菌・抗カビ・抗炎症などの効果から、スキンケアやノミやダニなどの駆除にも使われます。

いつの日か、馬や羊などの家畜、そして犬、猫などペットにも「ノミ、ダニ除け」として使われるようになったのです。

 

危険なのはティーツリーを濃縮したエッセンシャルオイル(精油)だった

最初の症例は1990年でした。

2匹の猫にノミよけとしてティーツリーオイルをスプレーしたところ、1匹は正常だったものの、もともと皮膚に炎症を起こしていたもう1匹が2時間後に倒れました。

病院で集中的な治療を受けて一時は改善したものの、そこから12時間後に死亡しました(Veterinary Herbal Medicine E-Book)。

 さらに、アメリカでもティーツリーによる猫の中毒の報告が続いたため、1998年、ようやくアメリカのコーネル大学でティーツリーの影響についての実験が行われました。

実験では、3匹の猫に強制的に100%のティーツリーオイルを塗布すると中毒症状を起こし、内1匹が死亡しました。

 

「3匹の純血種の猫におけるオーストラリアのティーツリーオイル中毒(K. Bischoff and Fessesswork Guale 1998)」

 その他にも
  • エッセンシャルオイルは揮発性であり、肺に吸引されて誤嚥性肺炎を引き起こす可能性がある(Wismer and Means 2012)。
  • エッセンシャルオイルは皮膚にも刺激性があり、紅斑、皮膚炎、そう痒症、発疹、脱毛症、または火傷を引き起こす可能性がある(Khan et al 2014)。


    などの研究結果が次々と報告されました。

 

ティーツリーオイルが危険な理由

ティーツリーなど植物成分を凝縮したエッセンシャルオイルは、人間や犬などの場合、肝臓が代謝して最終的には尿と一緒に体外へ排出します 。

 

しかし、

「そもそも肉食で植物を食べる必要がない猫には、その成分を肝臓で代謝できない」

ということがわかってきました。

 

猫にとってエッセンシャルオイルは毒であり、中毒を引き起こしてしまうことが原因なのです。

 

猫だけが危険??

ところが、猫は「ティーツリーオイルを解毒できない」ために危険とされてきましたが、その後、猫だけでなく犬や他の動物も中毒症状を起こすことがわかってきました。

 

 アメリカでは調査結果を受けて、ティーツリーオイルを含む製品に対して、安全レベルを「濃度1〜2%未満」と規定しました。

しかし製品が指示通りに使用された場合でも、ノミよけに使用されるエッセンシャルオイルによって、猫と犬に悪影響があったと報告されています(Genovese et al、2012)。

 

  さらに2002年1月から2012年12月までの10年間に、犬と猫が中毒とみなされた症例を集めたところ、100%のティーツリーオイルによって、つばやよだれがでる、眠気、動けない、震え、などの症状がでました。また、若くて小さい猫ほど重症化することもわかりました。

 

 

 また、最近のリサーチゲートネット(研究者のためのSNS)から、ペットのオカメインコがティーツリーオイル中毒になったという症例報告を見つけることができました。

 

 

他のエッセンシャルオイル(精油)は安全か?

「アメリカ動物虐待防止協会(ASPCA)」はエッセンシャルオイル全般に、ペットに対して有害か?という質問に対し、「答えは単純な”yes” “No”ではなく、複雑。」としながら、下記の通りコメントしています。

 

 濃縮された形(100%)のエッセンシャルオイルは、ペットにとって絶対に危険です。オイルが犬や猫の皮膚に直接付着すると、以下のような健康上の懸念を引き起こす可能性があります。
  • 足のふらつき
  • 大人しくなる
  • 体温が低い(重症の場合)
  • 嘔吐、下痢が見られることがあります。

 

また、「日本獣医学会」ではQ&Aで以下のような見解を示しています。

 

「現時点では、すべてのアロマオイルに毒性がある。」という断定はできていません。しかしながら、少なくとも犬猫に安全性が確認されているものを使用された方が安心です。
 

まとめ

調査により、100%の純度のオイル7滴(0.35ml)で重度の中毒を引き起こし、10〜20 ml塗布すると死亡する可能性が高いことがわかりました(ANIMAL POISON CONTROL CENTER/Toxicity to pets)。

ただし最初の死亡例は、高濃度のティーツリーオイルをスプレーし、死亡した猫はもともと皮膚に炎症があったこと、また調査による死亡例では、純度100%のエッセンシャルオイルを多量に経口投与しなど、一般的な使用条件ではありませんでした。

実際にアロマテラピーではエッセンシャルオイルを薄めて使う上、直接体に塗布することはありません。

ティーツリーなどのエッセンシャルオイルを含むシャンプーやノミ除けなどの製品についても、その濃度が「1〜2%未満」であれば問題ない、ということも言えるかもしれません。

 

そもそも、エッセンシャルオイルだけが悪いのか?

 

ペットにとって危険なものは、頭痛薬(アスピリン、イブプロフェンなど)、タバコ(電子タバコの液体も)、非ステロイド系の抗炎症薬の軟膏やクリーム漂白剤消臭剤、蚊取り線香虫よけスプレー・・・などなど様々な危険物で溢れかえっています。

ちなみにエッセンシャルオイルは植物なので、一部の生花も当然危険です。

しかし、花を除いてこれらのものは人間にとっても多量に摂取すれば危険で、直感的にペットにも危険と認識できるものではないでしょうか。

逆にアロマオイルは人間にとってよいものとされているので、案外ペットにも問題ないと思ってしまう人も多いかもしれません。

 

ペット用品の中にはティーツリーオイル配合のシャンプーやケア用品も結構な数が並んでいます。

それらペットケア用品に含まれるエッセンシャルオイルの濃度が1〜2%未満だとしても、長期で吸収された場合の安全性は未だ確認されていません。

また、猫の皮膚は人間より薄く体に吸収しやすいこと、そもそも人間よりも体が小さいので少量で影響を受けてしまうこと、これらのことをよく認識しておく必要があると思います。

 

少し話が横にそれるかもしませんが、人間でも柔軟剤や香水の香りが強すぎて具合が悪くなる「スメルハラスメント」が問題になっています。

人間の数百倍も強い臭覚をもつ犬や猫がこの香りを嗅いだら・・・

 

と心配になるのは私だけでしょうか?

 

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