【猫にミネラルウォーターはOK?】水道水との違いとは

食事と水
猫にミネラルウォーターを与えちゃダメ!!

って、よく言いますよね?

 

理由は、

ミネラルウォーターには、文字通りミネラル成分の『カルシウム』、『マグネシウム』が多く含まれていて、猫が結石になりやすいから。

というもの。

 

それじゃあ、

「地震や台風などの災害や緊急時に、ペットボトルのミネラルウォーターを猫に与えちゃいけないの?

とか、

水道水にだって、ミネラルが含まれてるんじゃない?」

って思いますよね?

いったい何がいけないの?って。。。

 

そこで今回は、ミネラルが猫ちゃんに与える影響と、ミネラルウォーターへの誤解、緊急時でも猫ちゃんには避けるべきミネラルウォーターなどについて解説したいと思います。

 

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ミネラルが猫に与える影響~ミネラル摂取と尿路結石

ミネラルは、人にはもちろん、猫にとっても成長や健康を維持するために必要な成分で、生きていくうえで欠かせないもの

ただ、一方で「摂り過ぎ」ると、いろいろな問題を引き起こします。

例えば人でも、ナトリウムの摂り過ぎが高血圧や心臓病を引き起こしたり、カルシウムが結石を作ったり、腎障害の人がカリウムを摂ると高カリウム血症を引き起こすなど、健康障害のリスクになります。

猫では、ミネラル成分のうちの『カルシウム』『マグネシウム』が尿路結石を発症する原因になり、たくさん摂取しちゃダメなことは確かなんです。

 

尿路結石には大きく2種類があって、

・尿がアルカリ性に傾いて、尿中のリンやマグネシウムが結晶化してできる、「ストルバイト(ストラバイト)」結石

・尿が酸性に傾いて、尿中のカルシウムが結晶化してできる「シュウ酸カルシウム」結石

これらのミネラル成分を多く含む、食べ物の影響を強く受けるとされています。

 

尿路結石になってしまうと、血尿がでたり、おしっこのときに痛がって「ニャーニャー」鳴いたり・・・

そして、おしっこがでない状態が続くと、最悪は腎不全による尿毒症で死に至る場合もあるんです。

病院で診断をうけると、療法食に切り替えこまめな水分補給など、場合によっては一生続けなくてはいけないことも・・・。

 

尿路結石には、発症しやすい”猫種”もあって、今症状がなくても予防しなくてはいけない猫ちゃんもいます。

ミネラルの摂取には、十分な注意が必要なのです。

 

尿路結石の原因など詳細は、以下の記事で解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

関連記事:【猫に多い病気】尿路結石の症状とその原因、対策、予防

 

参考:厚生労働省|e-へルスネット

水道水とミネラルウォーターの比較

近ごろの水道水はうまい!~水道水の成分

「近ごろの水道水はおいしい!」って聞きませんか?

日本では、安全でおいしい飲み水を供給するために、「水道法」によって51項目に及ぶ水質が定められていて、各地の水道局で”毎日”水質チェック、しかもその結果はホームページなどで公開されています。

 

ここで、令和2年10~12月の「東京世田谷の砧浄水場の水質」を、一部の成分を抜粋して紹介します。

 

表1.世田谷の砧浄水場の水質(抜粋)

項目 基準値 検査結果
1 一般細菌 100個/mL 以下 <1個
2 大腸菌 検出されないこと 不検出
3 セレン 0.01 mg/L 以下 <0.001mg/L
4 ナトリウム及びその化合物 200 mg/L 以下 17mg/L
5 カルシウム、マグネシウム等(硬度) 300 mg/L 以下 74.8mg/L
6 pH値 5.8以上8.6以下 7

引用:東京都水道局|令和2年度水質検査結果

 

大腸菌が含まれないことや、ナトリウム、カルシウムなどのミネラル成分量も測定されます。

ちなみに、この表で、5項の「カルシウム、マグネシウム等(硬度)」に注目すると、

基準値が1Lあたり300mg以下に対して、検査結果が「74.8mg」となっています。

実はこのカルシウムとマグネシウム、この量が「水の味を決める」といいます。

この値については、あとの方で解説します。

 

軟水と硬水

水道水やミネラルウォーターで、水の中に溶けだしたミネラル成分の指標として「硬度」という言葉が使われ、もともと石鹸の泡の立ちにくさの指標として使われました。

それが今では、水の味だったり、まろやかさといった口あたりなど、水の特徴を示す指標にもなりました。

『軟水』とか『硬水』・・・なんか、聞いたことのある言葉。

 

お米を炊くのに、ふっくらさせるのを妨げるカルシウムが少ない「軟水があう」とか、肉の煮込みには、ミネラルが肉の臭みを取り除き、やわらかくするので「硬水がいい」とか、料理にも、水の特徴の相性があるんです。

 

具体的に水の硬度は、ミネラル成分の中のカルシウムとマグネシウムの量から計算されます。

 

硬度=カルシウム量(mg/L)×2.5+マグネシウム量(mg/L)×4.1

→ 水1リットルに含まれるカルシウム量の2.5倍とマグネシウム量の4.1倍の足し算

 

そして硬度の数値から、『軟水』・『硬水』を次のように分類しています。

 

表2.水の硬度分類

軟水
軟水
0~60mg/L未満
中硬水
60以上~120mg/L未満
硬水
硬水
120以上~180mg/L未満
超硬水
180mg/L以上

引用:世界保健機構(WHO)の飲料水水質ガイドライン

上の世田谷砧浄水場の水の硬度「74.8mg」は、『軟水(中硬水)』です。

 

ミネラルウォーターに対する誤解

雨や雪が川を流れて、長い年月を経て、地中深くに浸透していきます。

このときに地中で不純物がろ過され、土壌中のミネラルが水に溶け込みます。

そしてこれらが湧き出てきたり、くみ上げたものがミネラルウォーターの『原水』になります。

さらに殺菌して容器に詰めたものが「ミネラルウォーター」として販売されます。

 

少し話がそれますが、ミネラルウォーターとは別に、『海洋深層水』と言って、光が届かない海の底からとった、陸の水よりも清浄でミネラルが豊富な水もあります。

そのため、『海洋深層水』には硬度の高いものが多いですが、ミネラルを取り除くなどして成分調整を行い軟水から超硬水まで幅広い硬度で提供される水もあります。

 

しかしそもそも、ミネラルウォーターといえば「エビアン」や「ペリエ」、「ヴィッテル」といった海外の有名どころの影響か、

「ミネラルウォーターといえば『硬水』」というイメージがありませんか?

もしかして、私だけ?www

 

この海外のミネラルウォーターのイメージが、

「ミネラルウォーター」 = 「硬水」 → 猫に与えてはいけない

という、図式を作っているのではないでしょうか?

そして実は日本では、水道水はもちろん、いわゆる日本のミネラルウォーターの代表、「六甲のおいしい水」や「南アルプスの天然水」なんかも『軟水』なんです。

 

ミネラルウォーターの種類と水道水との成分量比較

というわけで、よく知られている主なミネラルウォーターの成分を、水道水と比較してみます。

参考までに、今はやりのウォーターサーバー「アクアクララ」も比較しました。

表中の左半分青の網掛けが日本、右半分赤の網掛けが海外のミネラルウォーターの成分量を表します。

 

表3. 水道水とミネラルウォーターの成分量、硬度比較

成分 水道水全国平均 六甲のおいしい水 いろはす(清田) 南アルプスの天然水 サントリー天然水 アクアクララ エビアン コントレックス ゲロルシュタイナー ナベグラヴィ
Ca(mg/L) 12.7 2-17 6.8 6-15 1-2.4 9.8 80 468 360 66
Mg(mg/L) 3 1-11 3.6 1-3 0.2-11 1.2 26 74 100 53
硬度(mg/L) 44  40  31.8  30  10~80 29.7 304 1468 1310 376
硬度分類 軟水 軟水 軟水 軟水 軟水 軟水 硬水 硬水 硬水 硬水

参考:(水道水の数値)文部科学省|日本食品標準成分表2020年版、(ミネラルウォーターの数値)各メーカーの公式サイトより引用

 

日本で採取される水道水やミネラルウォーターがほぼ『軟水』なのは、独特な地形や地層のためです。

傾斜が急なこと、ミネラル成分を通しやすい火山性の地層のせいで、ミネラルが水に溶けにくくなっています。

一方ヨーロッパや北米などの広く緩やかな土地では、ミネラルを蓄積しやすい地形で長い時間をかけて水に浸透し、『硬水』となります。

ただ、日本でも沖縄本島の井戸水や地下水など、一部地域の水や、海洋深層水などに『硬水』があります。

表中、水道水の全国平均硬度が「44mg/L」となっていますが、上の砧浄水場の水の実測硬度「74.8mg」と比較してわかるように、地域によってばらつきがあります。

日本の水道水は、おいしさの面から硬度(こうど)の目標値10~100mgが設定されています。

上の表からもわかる通り、日本の水道水と、日本の主なミネラルウォーターの「硬度」、つまりカルシウムとマグネシウムの成分量については、それほどの違いがないんですね。

日本の水道水をはじめ、ほとんどのミネラルウォーターは『軟水』です。

 

やっぱりミネラルウォーターは与えてはいけない?

では、全てのミネラルウォーターを与えてはいけないの?

それとも、どれくらいの硬度の水を、どれくらい飲ませてはいけないのか?

これには、猫ちゃんの体質や病態なども絡んでくるため、はっきりした数値はありません。

それでも、これまで猫が日本の水道水『軟水』を飲んで、健康でいられた実績からも、

『硬水』に分類されるミネラルウォーターは与えるべきではありません。

『硬水』は、健康な猫に対しては、問題ないとされていますが、尿路疾患のある猫や尿路疾患の予防をしている猫には飲ませるべきではないです。

硬度が高ければ高いほど、健康リスクがあがります。

水道水以外の、ペットボトルなどの水を与える場合には、念のため、硬度を確認することをおすすめします。

 

参考:サントリー|水大辞典東京都水道局|水の硬度

 

緊急時に備える~猫用のミネラルウォーター

災害などの緊急時にはどうする?

緊急時にはどうしたらいいでしょう?

コンビニやスーパーで見かける『軟水』のミネラルウォーターで問題がないことはわかりました。

しかし、私が北海道胆振東部地震に被災したとき、実際にはコンビニやスーパーには人が殺到し、6時間並んでやっと買えたり、今度はその後に品不足に陥って、1週間もの間食料品を買うことすらできない状況でした。

大切な猫のためにも、当たり前ですが、猫用の非常食、水も用意するべきだと感じました。

災害備蓄用の飲料水は、水道水やミネラルウォーターなので問題ないとは思いますが、念のため『硬度』の確認はした方がよいですね。

 

猫用(ペット用)のミネラルウォーター

より安心なのは、猫専用のミネラルウォーターです。

どのミネラルウォーターとも、尿路結石の配慮がされていて、特殊なフィルターで水をろ過してミネラルを取り除いたものが多いです。

ここで紹介するミネラルウォーターは、猫にとって安心安全な水なことは間違いありませんが、人用のミネラルウォーターの価格を考えると・・・www

アクアプーラ

高知県室戸沖で採取された海洋深層水を、特殊フィルター(RO膜)でろ過。ミネラル分や不純物等を取り除いています。

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phバランスキャットウォーター

カナダ、アパラチア山脈の天然の湧水です。オゾン処理・塩素フリー。

尿の問題を引き起こす原因とされるミネラルを含まず、尿路をサポートするバランスの取れたpH(6.2~6.4)です。

 

ペット水素水「ZEROミネラル」

北アルプスの天然水を、純水製造装置の特殊フィルター(RO膜)でろ過。ミネラル分や不純物等を取り除いています。

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ペットの天然水 Vウォーター

伊豆天城山系の自然に恵まれた天然水(深井戸水)で富士火山帯特有のバナジウム等の天然ミネラル含みます。
100mLあたりのナトリウム:0.3mg、マグネシウム:0.3mg、カリウム:0.1mg、カルシウム:0.8mg、バナジウム:1.6㎍、硬度:約30mg/L(軟水) pH8.0

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※RO膜:逆浸透膜(Reverse Osmosis Membrane)
不純物を取り除くフィルタで、病原菌やウィルスも除去できるほど濾過能力が高いもの。

 

ミネラルウォーターで気をつけなくてはいけないこと

ペットボトルのミネラルウォーターを猫に与える際、硬度を確認する以外にも、気を付けることがあります。

ミネラルウォーターは、水道水と違って塩素が入っていないので、加熱殺菌などは行われているものの、開封後の雑菌繁殖の心配があります。

開封後は冷蔵保存して、早めに飲みきることが大切です。

浄水器で塩素を取り除いた水も同じです。

そして、災害備蓄用の飲料水は特に、、、水にも賞味期限がありますので、くれぐれも期限切れに注意です。

 

まとめ

ミネラルが猫ちゃんに与える影響や、ミネラルウォーターの種類と水道水との違いについて解説してきました。

尿路疾患を悪化させない、尿路結石を予防するためにも『硬水』は与えないようにしましょう。

コンビニやスーパーで購入できる、日本製のミネラルウォーターは、念のためカルシウムとマグネシウムの成分量や『硬度』を確認して与えるのがよいです。

できれば災害など、いざというときのために、「猫用の保存水」を準備しておきたいですね。

 

ちなみにうちの子たちの災害備蓄用の水はコレ↓

硬度は30mgの『軟水』です。

何の抵抗もなく飲んでくれました(^^

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