『ネコにマタタビ、おじょろうに小判』
という諺(ことわざ)聞いたことがありますか? 「とても好きなもの」とか、「それを与えれば効果てきめん」といったたとえです。 昔から、猫がマタタビ好きなことが知られていたわけです。 猫にマタタビを嗅がせると、身体をこすりつけてニャアニャア叫び、テンションMax! まるで酔っているかのようなしぐさを見せます。 猫は、なんでそんなにマタタビに反応するのか?? 今回は、猫のマタタビ反応の理由が、科学的に解明されたというお話です。
マタタビって?
マタタビは日本や中国に分布し、日本では各地の山地に自生していて、初夏、表側だけ白くなった葉が目立つ、つる性の植物です。
日本でも古くから関節の痛みや疲労回復の薬として利用されていて、実の部分を乾燥して煎じて飲んだり、アルコールにつけて薬用酒として服用します。 「マタタビ」という名前も、服用することで、いくら疲れていても又、旅ができるほど回復することからつけられたとも言われています。 欧米では「キャットニップ」という、シソ科のハーブがそれに近いとされています。
人間は薬としてその恩恵を受けますが、猫はというと、マタタビを嗅ぐと酔っているようそんなしぐさを見せます。
猫がマタタビを嗅いで、葉や枝に体を擦り付けてごろごろ転がることを「マタタビ反応」と呼び、猫に限らずヒョウ、ライオンなどのネコ科動物にも見られ、テレビでも、ライオンがクネクネ転がっている姿を見ることがあります。
世界中のネコ科の動物がこの「マタタビ反応」を示すのです。
ネコがマタタビ反応する理由
という、猫好きが驚くニュースが流れたのは、2021年1月でした。 岩手大学や京都大学そしてイギリスリバプール大学による最新の共同研究によって、まずわかったのが、マタタビに含まれる「ネペタラクトール」という物質がマタタビ反応を強力に起こすということでした。 「化学」はまるで専門外のため、成分の説明は省きますが、ネペタラクトールをかいだ猫を調べると、多幸感や鎮痛に関わる神経(μオピオイド系)が活性化していることがわかりました。 さらに研究で、床以外に、壁や天井にネペタラクトールをつけておくと、ゴロゴロ転がらずに、顔や頭を何度も擦りつける、つまり一番重要な行動は、転がることよりも、ネペタラクトールを身体に付着させること、であることが判明したのです。 しかも、ネペタラクトールは「蚊」を寄せ付けないこと、また実際、ネペタラクトールが頭に塗られた猫や、マタタビの葉に擦り付けをした猫は、蚊に刺されにくくなることを確認しました。 「マタタビ反応」とは、
だったのです。
マタタビは猫に大丈夫?
猫がマタタビに反応するのは、マタタビに含まれる「ネペタラクトール」が、猫の神経を活性化するので、猫は体にそれを擦りつけようとする。 擦りつけたものには、蚊を避けの効果があった。 というものでした。 今のところ、そのマタタビで猫が重篤な状態に陥ったとか、逆にいくらマタタビを摂取しても安心だ、という研究結果や報告はまだありません。 そのため、どれくらい与えていいのか?などは、さっぱりわかりません。 ただ、経験的に、猫にマタタビを与えても、ずーっと恍惚状態が続くということはなく、あるところでふと我にかえったように興味を失います。 こちらから、強制的に与え続けない限り、問題になるようなことはないのでしょう。 考え方は人それぞれで、マタタビでストレスなくしつけができるという人もいます。 ただ、あくまでも個人の見解ですが、 研究結果で脳に影響することがわかっていて、しかも安全性が保証されていない以上は、少なくとも与えすぎには注意する必要があるかなと思います。 我が家では、病中病後など元気のないときに、ほんの僅かだけ与えるようにしています。 回数でいうと、年に1回あるかないか程度です。
マタタビとキウイの関係?
キウイ好きな猫がいるそうです。 ご存知の人も多いかもしれませんが、キウイはマタタビ科で、マタタビを与えた時と同じ反応をする猫もいるようです。 ただ、YouTubeなどで「キウイを与えてみた」動画を見ても、普通においしそうに食べる猫はいますが、「マタタビ反応」している猫を見たことがないです。 少なくともうちの猫たちは、キウイを見てもまるで興味なし。 
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猫の不思議な習性についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
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そもそも、猫にキウイを与えてもいいのでしょうか? 前述の通り、キウイはマタタビの仲間で、ビタミンCやビタミンE、食物繊維やポリフェノールといった栄養素がたくさん含まれています。 ビタミンCは免疫機能の向上や解毒作用、食物繊維は猫の毛球症の予防になるなど、猫にとってもよい栄養素なのです。 そのため、基本的に与えても問題ないとされています。 ただし水分が多く、食物繊維も豊富なことから、下痢を引き起こす可能性があるので与えすぎには注意が必要です。 また、マタタビにも含まれている「アクチニジン」はアレルギー症状を引き起こす要因にもなるのでアレルギーを持つ猫ちゃんには与えてはいけません。 猫の味覚は、甘味を感じることができないものの、酸味は感じられるので、たまにある『超絶酸っぱいキウイ』に当たってしまった猫は、果たしてどんな反応をするのでしょうか? キウイが苦手な私なら、間違いなく、床に頭をこすりつけて悶絶してしまうのですが…… 参考:Zespri|キウイの10種の重要な栄養素



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