下から一気に駆け上がり、天井スレスレのところを優雅に歩いたり、走りまわったり……
高いところから、家じゅうを見守っている、猫の姿が見たい!!
猫にとって日頃運動するためのスポーツジムであり、一番安心できる場所でもあるキャットウォーク。
ある意味「猫の秘密基地」ともいえるキャットウォークを、愛猫のために設置したい……
とは思いませんか!!

でも、賃貸だし、キャットウォークを置くのは無理!
とあきらめているあなた、そんなことはありません。
キャットウォークは設置できます!!
壁や天井に釘やネジを打つことなく、賃貸のおうちに設置可能な「キャットウォークを自作する方法」について紹介します。
そして、実はこの自作のキャットウォーク、
壁や天井に釘を打たないにも関わらず、
北海道胆振東部地震の時でも、ビクともしませんでした。
結果的に、ケージの倒壊防止の役割も果たし、安心安全を実感しています。
このキャットウォークを作るための手順・選定材料の他、製作コストやノウハウなど、極力わかりやすく、具体的に解説します。
是非参考にしていただければ嬉しいです。
関連記事:【我が家の猫紹介】ショコラとヨタロウこのDIYのおかげで北海道胆振東部地震で猫たちが無事でいられました。
猫たちとともに被災した経験からの「備え」について解説します。
参考記事:【ペットと防災】被災経験から思うことペットを飼っている以上、必ず訪れる別れの時、その時の覚悟はできていますか?
関連記事:【そのときどうする?】ペットとの別れ……
キャットウォークのDIY~なぜ自作するの?
「キャットウォーク」で検索すると、



などが売られています。
しかし、いわゆる天井スレスレで、猫が歩き回れるようなタイプのものは、業者さんにオーダーするか、自分で作るしかないんですよね。
既製のものだと家に入らなかったり、いくら自分の家でも壁に釘を打つのには抵抗があったり、ましてや賃貸で釘は打てません……
自作するメリット
今回紹介する方法での、メリットは・・・
- 釘で壁に穴をあける必要がない
- 部屋の広さや間取りに合わせられる
- 猫ちゃんの歩幅や体力にも合わせられる
- あとからレイアウトを変えられる
- 耐震性も十分
- 楽しみながら作れる
- 安く作れる
なんといっても費用面ではないでしょうか?
自作のデメリット

でも、DIYって面倒くね・・・?
- 材料や道具を自分で準備しなくてはいけない
- 支柱や棚板など、材料が重い
- 材料を置く場所や作業場の確保が必要
- 時間がかかる・・・
準備したり、実際に作業するのってやっぱり大変です。
キャットウォークを作るために、最初にどんなものにするか設計して、ホームセンターへ行って材料選びをして、そしていよいよ組立てとなると、工具を準備しなくちゃいけないとかカットしなくちゃいけないとか結構な重労働・・・そんなイメージありますよね?
そんな手間を省くために

木材とか重くてムリ~😣!!
ネジとか回せない~😝!!
すっかり前置きが長くなってしまいました。
結局、自作する最大の理由は、
・いつも上にいてくれる時の「私」の満足感と「猫ちゃん」の安心感!!
ぜひ、おうち時間が増えた今こそ、キャットウォーク製作に取り組んでみてはいかがでしょうか!
作り方の概要
概要
我が家で製作したものを参考に、作り方を紹介していきますが、基本的な考え方は、ご自宅で「設置したいサイズに合わせる」ことなんです。
- まず、ホームセンターやネットで購入可能な「2×4材(ツーバイフォー材)」という木材と、「ラブリコ」/「ディアウォール」という天井に突っ張るためのパーツで柱を立てます。
- 突っ張った柱と柱の間に、猫が走りまわる「足場になる板」を設置します。
それだけです。
※2×4材がどんなものか?については、下の方で簡単に説明していますのでご参考ください。
ポイント~ラブリコ・ディアウォールとは??何が違うの?
今回、賃貸でも壁や天井に釘やネジを打つことなく、キャットウォークを設置することができる「肝」になるのが、これから紹介する「ラブリコ」と「ディアウォール」です。
ラブリコとディアウォールは、どちらも2×4材の上下に取り付けて、床と天井の間を突っ張るためのものです。
ただこの二つ、大きな違いは突っ張り方の構造にあります。



左がラブリコ、右がディアウォール
ラブリコは、天井側の突っ張り用アジャスター(ネジ)を回していって、ネジの締め付け力で天井に突っ張ります。
ディアウォールは天井側のバッドの内部にバネがついていて、バネの押し付け力で天井に突っ張ります。
どちらがいいか?については、どちらも一長一短があり、
「ばねの力を利用したラブリコ」の方が簡単に設置できます。ディアウォールは脚立などで上にあがって、天井側のネジを締める必要があります。
また、ディアウォールは以下の注意書きが記載されています。
天井や床材の構造・強度等によっては天井や床材が変形し、緩む可能性もありますので、取り付け2~3日後、その後も週に1回程度定期的に調節ねじを確認してください
私個人としては、長さ調整がしやすい点でラブリコを多く利用しています。ただし、定期的な調節ネジのチェックは必要ですね。
いずれにしてもこの両者は、賃貸物件にはとてもありがたいパーツです。
準備するもの(材料や道具)
- まず、柱とする「2×4材」
- 柱を天井に突っ張るための「ラブリコ/ディアウォール」
- 猫たちが階段を上るように歩くための「足場板(棚板)」
- 足場板をねじ固定するための「木ネジ」
- 柱と棚板を接続するための「L字の金具やラブリコのジョイント、ディアウォールの棚受け」
- 高いところの作業となるので「脚立などの踏み台」は必須
- あとネジ止め用に「電動ドライバー」があると楽です。
※電動ドライバーは女性でも扱いやすいものなら3千円~5千円程度で購入できます。
ホームセンターのコーナンや島忠HOME’Sでも、1日数百円でレンタルできます。
製作にかかった費用や時間
材料詳細は「材料を集める」を参照ください。
| 材料 | 金額 |
| 木材(カット代含む) | 18,000円 |
| ディアウォール | 2,310円 |
| ラブリコ | 6,300円 |
| 棚受け金具類 | 9,400円 |
| ネジ類 | 1,400円 |
| 合計 | 37,410円 |
費用については、必要最低で製作したため、この金額です。
2×4材については、塗装してあるタイプや面取りしているタイプもあって、材料費をあげれば、自分の好みに仕上げることができます。
それでも、かつて検討した、オーダーメードのキャットウォーク(釘を使用しない、突張り式)だと、小規模のものでも1数万円、大きいものだと20万円を超えていたので、自作による費用的な効果は大きいと思います。
この製作では、カット済みの木材、金具、ネジなどの材料がそろってから、1日あたり2、3時間の作業で、柱2本分作ることができました。
作成する規模にもよりますが、私の場合トータル4日ほどで完成しました。
作り方手順
寸法を決める
始めに立てる柱の長さ(高さ)を計算します。
天井までの高さに合わせます。
ラブリコを使う場合の柱の寸法
ラブリコは、床から天井までの寸法に対して、「95 mm短く」カットします。
我が家の場合、天井の高さが2m45cm = 2450 mm なので、
2450mm – 95mm = 2355 mmにカットすればいいわけです。
ディアウォールを使う場合の柱の寸法
ディアウォールは、床から天井までの寸法に対して、「45 mm短く」カットします。
つまり2450mm – 45mm = 2405 mmにカットします。
柱を立てる間隔
壁の寸法に合わせて、全体の柱を立てる間隔を決めます。
我が家では壁に沿って、4m50cmくらいの長さに渡って足場を渡すことにしました。
ホームセンターでは足場板になりそうな木材が600mmで売っていて、カットの手間がなくなるので、柱間隔を600mmに決めました。
つまり、柱を8本立てて、それぞれの足場の間に600mmの足場板7枚を挿入することで、
600mm × 7枚(足場板の数) + 38mm(2*4の幅) × 8本 = 4504mm
ちょうどいいです。

強度アップのための補強用横板
地震に備えて少しでも強度を稼ぎたいので、足場板の下に柱と柱の間をつなぐように同じ2×4材で補強(下写真参照)することにしました。
補強板の長さは、柱を繋ぐために足場板より長くなります。
1本あたり、
38mm + 600mm + 38mm = 676mm
これを1本おきに取り付けるため、13本ほど切ってもらいました。

猫の足場の配置
今回は補強板の上に足場板を設置しました。
足場板の最上段は横一列に移動できるようフラットにし、天井から250mm下に配置するようにしました。
2段目以降は階段を上り下りするように互い違いに配置しました。
段差は、お歳を召してきた2匹に無理をさせないよう、ヨタロウであらかじめシュミレーションした結果、300mmの段差にしました。


<足場板拡大>
足場板の設置にはL字金具以外に、ラブリコやディアウォールから「ジョイント」や「棚受け」などが用意されています。
材料を集める
材料リスト
| 材料 | サイズ | 数量 |
| 柱①、⑧(2×4材) ディアウォール用の長さ | 2355 × 89 × 38 | 2 |
| ディアウォール | – | 2 |
| 柱②~⑦(2×4材) ラブリコ用の長さ | 2405 × 89 × 38 | 6 |
| ラブリコ | – | 6 |
| 補強板(2×4材) | 676 × 89 × 38 | 13 |
| 足場板最上段(桐材) | 1800 × 250 × 13 | 1 |
| 足場板最上段(桐材) | 900 × 250 × 13 | 2 |
| 足場板各段(桐材) | 600 × 250 × 13 | 10 |
| ディアウォール専用棚受け | – | 5 |
| ツーバイ用棚受け金具 | 89mm | 5 |
| L字金具 | 90mm | 20 |
| 木ネジ | 3.8*50(72本セット) | 3 |
| その他木ネジ | – | – |
材料詳細
柱②~⑦用ラブリコ:6セット
柱①、⑧用ディアウォール:2セット
柱②~⑦用2×4材:2355mm × 6本
柱①、⑧用2×4材:2405mm × 2本
補強板2×4材:676mm × 13本
足場板最上段:桐材(幅250 × 厚13 × 長1800)× 1枚
足場板最上段:桐材(幅250 × 厚13 × 長900)× 2枚
足場板各段:桐材(幅250 × 厚13 × 長600)× 10枚
棚受け:4セット
ツーバイ用棚受け:2セット
L字金具:必要に応じて
木ネジ 柱補強用 3.8 × 50
(木が割れにくいビス/ユニクロ):110個
木ネジ 足場板固定用 2.7 × 13
(皿/ユニクロ):100個
組立て
材料がそろったところで組立て開始です。
木材を部屋のインテリアに合わせて色を塗る方も結構いますね。
色を塗るときは組立てる前に行いましょう。
ちなみに私は面倒くさいのでw、色塗りはやりません。
柱用の2×4材にラブリコ、ディアウォールを取り付けます。
ラブリコのアジャスターは縮める方向(上から見て反時計回り)緩めておきます。
中央に1本目の柱を垂直に立てて、天井に突っ張ります。
全体の配置をイメージして、決めた位置に柱を配置します。
アジャスターを上から見て時計回りに回して天井に圧着固定します。

2本の柱の間、最上段の高さに補強用の2×4材(補強板)を50mmの木ねじで固定します。
木が割れにくい木ネジなのですが、2×4材は結構固いので、あらかじめ釘を通す位置にドリルで下穴を打っておくと通しやすいです。

まずは最上段の足場板から固定します。
私の例では、最上段の足場は、横一列に4mになるよう何枚か並べていますが、互い違いの配置でもよいと思います。
そのため、最上段の足場は、補強板の上かつ柱の手前になるように足場板が固定しています。
写真を参考に、L字金具で挟み込むようにネジ固定していきます。


⑩補足
※足場板は安価で加工しやすい桐材(幅250mm/厚12mm)を使用しましたが、桐材自体が柔らかい素材の為、体重が気になる猫ちゃんには15mm厚のスギ材やベニア板を使うなど調整してください。※この構成で、北海道胆振東部地震の震度6弱で揺れたときでも、ビクともしませんでしたが、組立ては自己責任でお願いします。
※ラブリコ、ディアウォールが天井や床など突っ張っている接地面は、材質によって凹みによる跡が残る可能性があります。
※ラブリコ公式サイトに強度など仕様がありますのでご確認ください。
カット済みの木材、金具、ネジなどの材料がそろってから、1日の実働時間でだいたい2、3時間で、柱2本分です。
なのでトータル4日ほどで作り上げました。

キャットウォーク全景
ネジ跡、L字金具がむき出しなのはご愛敬。
デザインの才能がなく、実用性重視ということで。

実は左側に吊り橋を作っているのですが、そちらの工程は後程アップデートする予定です。

まとめ
いかがでしたでしょうか?
かなり細かく説明したので、「結構面倒くさい!」と思われたかもしれません・・・(><)。
私も実働時間では4日と書いていますが、結構ナマグサな性格のため、1週間ほどリビングに材料を置きっぱなしにして手を付けなかった期間もありました。
なのでスタートしてから猫たちを上げるまでに、半月近くかかっています。
DIYのいいところは、無理せずマイペースで作れるところかと思いますので、時間を掛けられる方は、じっくりゆっくりと取り掛かっていただければと思いますwww
木材が重く、高いところ作業になるので、女性には本当に大変かもしれません。
一人でチャレンジする場合には、くれぐれもケガに注意してください。
ともかく、出来上がった暁には、猫ちゃんたちはきっと喜んでくれると思います。
喜んでくれることを想像しながら作るのも楽しいものです。。。
うちの猫たちは、仮組みの時点でフライングして登るほど、躊躇なく気に入ってくれました!
関連記事:【猫好きさん猫ほしいさん】『猫に好かれるための7つの習慣』
あとがき~2×4の突っ張り式が結果的に耐震対策になっていた
もともとは、趣味のギターやベースを壁掛けにしようと思って、作ったのが始まりでしたが、後々、これを作っておいて本当によかったと出来事があったのです。
忘れもしない、2018年9月6日の「北海道胆振東部地震」のときです。
しかし、ツーバイフォーで作ったキャットウォークと、キャットウォークに鎖で固定していたケージは、まったくビクともしませんでした。
猫たちがはいつもケージで寝ていて、当時もそうでしたが、ケージごとキャットウォークに固定していて、本当によかったと思いました。
倒れはしなかったものの、中身が崩壊した食器棚(これほど揺れました)
倒れてモニタが割れ、映らなくなってしまったテレビ
震災でもビクともしなかった2018年当時のキャットウォーク
ツーバイフォーについて
もともとは住宅建築のための工法のことで、CMなどでも2×4の家、なんてことばも耳にすることがあるかもしれません。
常緑針葉樹(SPF)でできている木材を組み合わせて作る、耐震性の高い工法です。
「2」や「4」の数値は寸法を指し、「2」が38mm、「4」が89mmです。
つまり38 × 89mmの角材を使って、DIYしようというのです。

※ラブリコの公式サイトに記載があるように、「ラブリコが天井や床など突っ張っている接地面は、材質によって凹みによる跡が残る可能性があります。」ということで、床面と天井面に塩化ビニルのフロアタイルの切れ端を挟んでいます。
1年ちょっと経ちますが、今のところ凹みや変色などはありません。













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